フラワーコミックス『洗礼』全6巻 1976 小学館
ACセレクト『洗礼』全3巻 1985 秋田書店
小学館文庫『洗礼』全4巻 1995 小学館
見せるほどの表紙ではないですね。ていうか最低。
『恐怖への招待』
(左)河出書房新社/河出コミックパス版
表紙の絵は『漂流教室』の美川さん。
(右)河出書房新社/河出文庫版
表紙の絵は「割れた釣鐘」(『恐怖』)のエミ子。
『先生をからかう本』角川文庫 1981-8-10 黄215
(左)表紙
(右)「まえがき」代りの、まこととKAZZのことば。まことは学生服を着ている。
「あとがき」の一部(後半部分)を紹介します。「カルカチア」なんて表記するあたり、楳図本人の言のような感じがします。いずれにしても、なかなか暖かみのある、よいお言葉。
教室のドアの上に黒板消しを置き、先生がドアを開けた途端、黒板消しが先生の頭を直撃する----こんないたずらは、学生時代みんなが経験していると思います。それは先生が憎いからではありません。生徒たちが求めているのは、いたずらを通しての、先生との熱い触れあいです。それが証拠に、生徒たちが卒業した後、先生のいちばん思い出にのこるのは、悪ガキたちの姿です。また、悪ガキたちも社会に出て、立派な大人になったとき先生の思い出として、心に強くのこっているのは、いたずらを仕掛けた先生なのです。
カルカチアの精神は、権力者を皮肉るところにあります。いたずらをやられた先生も、やった生徒も、そのいたずらを通して学園生活の良き思い出となるとしたら、キミもいたずら史上にのこる傑作をお、ものにしてみたらいかが。他愛のないいたずらならば、それだけ学園生活が楽しくなるはず。校内暴力に走るのは、シャレとジョークの欠如した、心に余裕のない者がおこなう行為なのです。
イギリス人のウィット、フランス人のエスプリ、アメリカ人のユーモア、そして日本人には昔から諧謔(かいぎゃく)の精神があります。校内暴力などという陰湿で、どちらも傷つく後味の悪いやり方でなく、シャレやユーモアの知的爆弾で、先生をギャフンといわす。そのときこそ、学園生活が楽しくなるのではないでしょうか。本書はそういう趣旨のもとにまとめました。
楳図かずお