シテ詞「かやうに候ふ者は。小松の三位の中 将惟盛の御内に。斎藤五と申す者にて候。 扨も惟盛西海へ打立ち給ひし時。我等兄 弟を召され六代御の御事を。我等兄弟に 預け置かるゝ。野の末山の奥迄も。御行 方を見届け申せとの御諚に任せ。某兄 弟は都に留まりて候。又我が君の御祈の 為に。王城の鎮守へ日参仕り候。又只今 も参り候。有難や昔在霊山妙法花。今在 西方名阿弥陀。娑婆示現観世音。三世利 益同一体。げに有難き悲願かな。歌「慈眼 視衆生悉く。誓普き日の影の。曇なき よの御誓。後の世かけて頼むなり。/\。 南無王城の鎮守。六代御の御ゆくへを。 安穏に守らせ給ひ候へ。ツレ「いかに人々 この先へ。斎藤五ばし御とほりありける か。なに祇園へ社参と申すか。やがて参り 候ふべし。や。これに御座候。いかに申す べき事の候。シテ「あらこと%\しや何事

にて候ふぞ。ツレ「偖もこの暁時政大将 大覚寺へ押寄せ。我が君六代御を召取り。 関東へ下向仕つて候。シテ「言語道断の事。 これは予てより覚悟の前にて候へども。 さて何と仕り候ふべき。ツレ「いや左様に 延々にては叶ひ候ふまじ。その為にこれ へ御笠御佩刀を持ちて参りて候ふ間。是 より追ひかけ御参あらうずるにて候。 シテ「さらば此所にて烏帽子を脱ぎ。直に 追つかけて参り御供申さうずるにて候。 ツレ「尤も然るべう候。シテ「扨あるべきに あらざれば。着たる烏帽子を脱ぎ捨てゝ。 ツレ「着馴れ衣の旅姿と。シテ「始めてなる こそ。ツレ「悲しけれ。歌「互に前後を争ひ て。/\。時政の跡を東国の。道をさし てぞ下りける。/\。次第「定なき世は 中々に。/\。憂き事や頼なるらん。 二人「実にや命は朝露の。/\。深きや心な るらん。それ三界輪廻妄執久しく六趣の

衢に廻り。二度三途のいづくに赴く事ぞ。 返す%\も悲しけれ。まうさうしよえん の有様。不断輪廻の里に生るゝ。人如必 滅の苦を受くる。しやうゑんの春の霞は。 万徳の月を隠し。一げの縁永く尽きぬ。況 やかゝる夢の世に。いつ迄とてか迷ふら ん。歌「別路に今あふ坂の関越えて。今相 坂の関越えば。都の名残や尽きぬべき。 暫く輿をかきすゑて。互に跡を眺めけり。 /\。シテ「御覧候へ神なし森に当つて。人 の多く見えて候ふは。定めて我が君六代 御にて御座あらうずると存じ候。ツレ「げ に/\疑もなき六代御にて御座候。やが て御参り候へ。ワキ「方々はいかなる人な れば事とはず。御輿の辺へはよられ候ふ ぞ。シテツレ二人「畏つて候。これは六代御の御 めのと子斎藤五斎藤六と申す兄弟の者に て候。少しく物詣仕る間に。六代御をとり 給ひ。関東御下向の由承り候ふ間。路次よ

り直に参りて候。此度の御供をさせられ て給はり候へ。ワキ「扨は承り及びたる兄 弟の人にて渡り候ふか。さりながら御供 の事は。中々計ひ難く候。シテツレ二人「御意尤 にて候へども。時政の御心得にて御供さ せられて給はり候へ。ワキ「げに/\仰せ らるゝも尤にて候へば。先づ今日ばか り御供あらうずるにて候。シテツレ二人「畏つて 候。又申し度き事の候。何時にても候へ。 六代御の御最期の際を我等にしらせられ て賜り候へ。御介錯に参りたう候。ワキ「心 得申して候。いかに誰かある。トモ「御前に 候。ワキ「六代御の敷皮しかせ申し。西の方 へ直し申し候へ。トモ「畏つて候。ワキ「御十 念南無阿弥陀仏。シテツレ二人「暫く御最期の際 を。我等に知らせられ候へと。堅く申し合 せて候ふが。御失念にて候ふか。ワキ「げに 御存なきは御理。関東下向の囚人をば。こ の神なし森にて殺害の刀とて。時のまな

びにてあるを御存なく候ふか。シテツレ二人「げ に/\承り及びたる事にて候。誠の御最 期をしらせて給はり候へ。ワキ「心得申し て候。ツレ「いかに申すべき事の候。シテ「何 事にて候ふぞ。ツレ「六代御の御事は世に 隠なき御事にて御座候ふに。見申せば雑 兵共の御輿に参り候ふ間。我等兄弟御輿 に参らうずるにて候。シテ「これは仰尤 にて候。頓て時政に伺ひ申さうずるにて 候。いかに申し候。我が君の都出もこれ が限にて候ふ間。我等兄弟御輿に参りた う候。ワキ「いや/\方々の御輿かゝれた る事は候ふまじ。御輿舁をば申付けて候 ふ間。御輿添に御参り候へ。シテ「苦しから ぬ事。只御輿に参らうずるにて候。ワキ「と もかくもにて候。シテ「御輿に参らうずる にて候。シテツレ二人「斎藤五斎藤六。未だなら はぬ御輿のこれを限の御供と。よろ/\ とかいて行く。心のうちぞあはれなる。迚

も消ゆべき露の身の。/\。あるを限らぬ 命は。鐘より先に散るものを。誰も昔の跡 やある。いざ立ち寄りて見て行かん。鏡の 宿はこれかとよ。/\。ワキ「これははや鏡 の宿に着いてあるぞ。六代御の御宿をば かうとやを申付け候へ。又斎藤五斎藤六 御宿へは御参り叶ふまじ。兄弟一所にも 叶ふまじ。他宿を取りて参せ候へ。トモ「畏 つて候。いかに斎藤五斎藤六へ申し候。 六代御の御宿へは御参あるまじく候。 又御兄弟一所にも叶ふまじ。他宿をとり て参らせよと申付けられて候。シテツレ二人「我 等此度御供申す事も。旅宿の奉公申さん 為にてこそ候へ。只御宿へ御参り候へ。 トモ「いや/\これは御用心の為に仰せら れ候ふ間。只他宿にあらうずるにて候。さ らば明日参りあはうずるにて候。これは 斎藤五の御宿にて候。此方は斎藤六の御 宿にて候。御宿を申付けて候。ワキ「斎藤五

が宿へ立越え申すべきやうは。此度の御 供心得難く候へども。神なし森にて余に 承り候ふ間。御供の事は同心仕りて候。六 代御の御事は。世に隠なき囚人の御事に て候。その御供を御沙汰候ふ上は。囚人 と等しき御事なれば。刀を御出しありて。 御供あれと申し候へ。自然刀の事辞退せ ば。神なし森にて預り申す。御佩刀返し申 すべし。肝要は御供叶ふまじ。急ぎ都へ 御上あれと申し候へ。トモ「畏つて候。御 使に参りて候。シテ「此方へ御入り候へ。 トモ「時政申し候ふは。此度御供心得難く 候へども。神なし森にて御兄弟余りに承 り候ふ間。御供の事は同心仕り候。六代御 の御事は。世に隠なき囚人の御事にて候。 その御供御沙汰候ふ上は。囚人と等しき 御事にて候へば。御腰の物を出されて。 御供あれと申され候。シテ「委細承り候。 此度時政関東御下向。世に隠なく候へば。

我等が事は六代御の御内の者とも。時政 の御内の者とも。存ずる者はあるまじく 候ふに。まつ盛なる者の刀をさゝではい かゞに候へば。刀の事は御免も候へかし。 トモ「左様に存じ候うて。時政も詞を返し 申し候。刀の事辞退あらば。神なし森に て預り申す御佩刀返し申すべし。肝要は 御供叶ふまじ。急ぎ都へ御上あれと申し 候。シテ「この御詞に草臥れて候。さあら ば刀を参らせうずるにて候。トモ「尤も然 るべう候。刀を取りて参りて候。ワキ「只今 は刀の事申し候ふ処に。安々と御出し我 等に於て神妙に存じ候。刀を御出しの上 は。囚人の縄かゝらぬ例なく候へば。縄を かゝつて御供あれと申し候へ。自然縄の 事辞退せば。以前神なし森にて預り申す 御佩刀。又只今の御腰の物いづれも返し 申すべし。肝要は御供叶ふまじ。急ぎ都 へ御上あれと申し候へ。トモ「畏つて候。又

御使に参りて候。シテ「又御出にて候ふか。 トモ「時政申し候ふは。唯今刀の事申す処 に。安々と御出し神妙に存じ候。刀を御出 しの上は。囚人の縄かゝらぬ例なく候へ ば。縄を掛つて御供あれと申し候。シテ「刀 の事仰せられ候へば。安々と参らせ置き 候。縄の事は御使の御心得に預り候へ。 トモ「さやうに存じ候うて。以前の如く詞 を返し申して候。縄の事御辞退候はゞ。最 前神なし森に於て預り申す御佩刀。又只 今の御腰の物。いづれも返し申すべし。肝 要は御供叶ふまじ。これより都へ御上あ れと申し候。シテ「暫く。とにかくに刀を参 らせ候ふ上は。縄をもかゝり。いづくま でも六代御の御供を仕らうずるにて候。 トモ「尤の御事にて候。さらば縄をかけ申 さうずるにて候。シテ「中々の事。トモ「縄を かけて参りて候。ワキ「聞及びたるよりも。 健気なる者にて候。是と申すも六代御の

御行方を見届け申さん為に。面々程の者 に刀を出し。縄をかゝりたる不便さは候。 只今斎藤五をあひしらひたる如く。斎藤 六館へも立越え。刀を取り縄をかけて来 り候へ。トモ「畏つて候。いかに斎藤六の渡 り候ふか。ツレ「御使にて候ふか。此方へ御 出で候へ。トモ「時政申し候は。此度の御供 の事心得難く候へども。御兄弟余に承り 候ふ間。御供の事は同心申し候。六代御の 事は。世に隠なき囚人の御事にて御座候。 その御供を御沙汰候ふ上は。囚人と等 しき御事なれば。刀を出し縄を御かゝり あつて。御供あれと申され候。ツレ「扨兄 にて候ふ者は。何と返事を申して候ふぞ。 トモ「安々と刀を御出しあり。縄御かゝり にて候。ツレ「やはかやさうには候。 トモ「いや某が縄をかけ申して候。ツレ「言語 道断の事。惣じて兄にて候ふ者は。時政 の御意を背かじと仕るによりて。かやう

に深だつたる事を承り候。某が事は刀を も出すまじ。縄の事は中々思も寄らず候。 トモ「まづ御思案も候へかし。ツレ「弓矢八 幡参らすまじ。トモ「御使なれば申し罷り 帰りてその由を申さう。いかに申し候。か の者は兄にかはり。刀をも出すまじ。縄の 事はなか/\思も寄らぬ由を申し。狼藉 を申し候。御出あつて御成敗あらうずる にて候。ワキ「某立越え成敗せうずるにて 候。トモ「これが斎藤六が宿にて候。ワキ「い かにこの屋の内に斎藤六やある。ツレ「斎 藤六これに候。何事にて候ふぞ。ワキ「誠や ごぶんは刀をも出すまじ。縄をもかゝる まじいと云ふは誠か。ツレ「中々の事侍 の差いたる一腰。弓矢八幡参らすまじ。 ワキ「いで打つて捨てう。シテ「これは如何 なる事にて候ふぞ。ワキ「ごぶんの弟斎 藤六刀をも出さず。縄をもかゝるまじき と申す程に。成敗のため来るよ。シテ「そ

の上御出は軽々しく候。定めて御使のあ やまりたるべし。某刀をも取り縄をかけ て参らせうずるにて候。ワキ「急ぎとつて 出し候へ。シテ「心得申して候。なう其方 が唯今の振舞は。又例の健気だてな。はや 某健気だては。抜群に事過ぎて候ふもの を。命を捨てゝ我が君の御用に立つべく は。某も貴方にちつとも劣るまじ。その 上惟盛西海へ打立ち給ひし時。我等兄弟 を召され。それ侍の戦場に出でて。討死 する事珍しからず。六代御の御事をば。 我等に預け置かるゝ野の末山の奥迄も。 御行方を見届け申せと御諚ありし時。正 しく貴方も畏つたと申されつるが。早く も忘れ給ふものかな。我等はこの耳の底 に留まつて。ちつとも忘れず候。又よたし に承り候へば。侍のさいたる一腰。弓矢 八幡出すまじきと申されしよな。これま た珍しき侍詞かな。我等が事は沙汰の

外の事。親にて候ふ斎藤別当実盛は。北国 倶利加羅志保の谷の合戦に罷下りし時。 大臣殿に参り申す様。北国は故郷なり。 故郷へは錦を着て帰ると云へる本文あれ ば。あつぱれ錦の御直垂を給はつて討死 せんと望みしかば。やすき間の事とて錦 の直垂を賜はる。時の面目後記の名聞。 これに如かじと既にその期に打つて出で しが。道よりも思ふ様。いや/\今時の 若武者は。老武者を相手に嫌ふものをと 思ひ。傍に忍び鬢鬚を墨に染め。若やぎ 討死せし事。やは天下に隠の候。その子 供に斎藤五斎藤六と申す者。侍と名乗ら ず。今もやは凡下とけすしや候はん。その 上敵と逢うて討死をするとも。思ふ敵に は逢はずして。雑兵の錆刀の尖にかゝつ ては。死んでも恥辱なり。御覧候へ某は。 刀をも出し縄をかゝりたる上。某が恥は 貴方が恥。ごぶんが恥は某が恥。かやう

の子細をも貴方はよく存すべけれども。 腹の立つのあまりにこそ申されつらめ。 唯刀を御出しあり縄をかゝつても。六 代御の御行方を見届け給はん事肝要にて 候。はや/\御思案にも及ばぬ事たゞ御 出し候へ。刀を取りて参りて候。縄を御 かけ候へ。ワキ「かの者は兄にかはり一段 縄をいましめ候へ。トモ「心得申して候。 ツレ「遥々の路次の事にて候ふ程に。縄を ば御宥免候へ。子「あさましの身の果や な。一族共にとにもかくにも果てもせで。 憂き目を見る事の悲しさよ。斎藤五斎藤 六。迚も敵の手にかゝらば。心の儘に討死 し。名を後の代に揚ぐべきに。おめ/\と 生捕られ候ふ事。偏に自ら故ぞかし。二人 にかけたる縄を解き。六代を縛めおはし ませと。歎けども/\かひもなぎさの涙 かな。たが別とか鳴る鐘の。/\。憂き世 の名残や尽きぬべき。朝たち行けば近江

路の。末を急ぐぞ遥なる。/\。ワキ「急ぐ 間これははや駿河の国千本の松原に着き て候。文覚上人と申し合せたる日数は。今 日迄何十日にてあるぞ。トモ「はや廿一日 にて候。ワキ「扨は鎌倉殿の御訴訟も叶は ぬと存じ候。それを如何にと申すに。文覚 上人とは廿日の間とこそ申し合はせて候 へ。早日数も相違ひたる事候ふ間。痛はし ながら六代御を。生害させ申すべし。さ あらば斎藤五斎藤六兄弟の者共縄を免し 申すべし。御介錯に御参あれと申し候へ。 トモ「畏つて候。いかに御兄弟へ申し候。時 政申し候ふは。文覚上人と申し合せたる 日数も相違ひ候ふ間。痛はしながら六代 御を。生害させ申さうずるにてある間。 御兄弟の縄を免し申すべし。御介錯に御 参あれと申され候。シテツレ二人「委細承り届け 申して候。トモ「いかに申し候。六代御の御 事は流石に平家の棟梁にてましますに。

自然太刀かげなどに怯え給ひては。御家 の御難になるべし。そと御最期の暇を伺 ひ御申し候へ。シテツレ二人「げに/\是は思し 召しよりて候ふ物かな。我等ははたと失 念仕りて候。さらば頓て伺ひ申さうずる にて候。いかに申し上げ候。人の最期の さまを御存にて候ふか。子「中々心得てあ るぞ。シテ「伺ひ申して候へば。いつよりも 健気に。中々心得てあると御諚候。我等 が未練を窘まうずるにて候。ツレ「尤にて 候。シテツレ二人「いかに申し上げ候。文覚上人の 御訴訟叶ふものならば。一度都へ御供申 すべく候ふ処に。御訴訟叶はねばこそ此 所にて御生害候へ。死出の山三途の川と て候ふをば。我等兄弟御供申すべく候。 御心安く思召され候へ。西方にて候ふ間。 かやうに合掌して御座候へ。三人「かくて主 従手を合せ。南無阿弥陀仏弥陀仏。一仏浄 土の縁と生れ。同じ蓮に迎へ給へと。落

つる涙におさふる袖。よそに弱げを見え じとて。歌「かきなほし/\。おさふる袖 の涙かな。ワキ「心は猛き武士の。/\。岩 木ならねば斬りかねて。共に涙を流しけ り。/\。ツレ「なうその児斬りて文覚恨み 給ふな。/\とこそ。シテツレ二人「不思議やな 文覚と。呼ばはる声は聞えねども。詞「笠に て招くは疑なし。嬉しや疾くと招きけり。 ワキ「いつまでかくてあるべきと。太刀抜 き持ちて斬らんとすれば。シテ「暫く候 文覚上人の御訴訟叶はぬものならば。其 時失ひ給へかしと。とかく支ふるその隙 に。ツレ「文覚馬より飛んでおり。六代御 はいづくにましますと。時政をとつてお しのけ。六代御を引立て奉れば。かしこ う失ひ申すらん。ワキ「扨御教書はいづく にあるぞ。ツレ「文覚身に添へ持ちたるな り。ワキ「扨はといひて立ち寄り見れども。 御判と覚しきものはなし。偽り給ふ文覚

かな。ツレ「先づ鎮まつて事を聞けと。首 に懸けたる御教書を。これはと云ひてさ し出せば。ワキ「時政おつ取り披き見れ ば。執筆広元頼朝の御判疑なし。ツレ「扨 は文覚偽らず。児をば此方へ給はるなり。 ワキ「げに此上はともかくもと。いふ声を 聞くよりも。貴賎上下の一同に。どつと 喜ぶ其声は。千本の松原も響き合ひたる 気色かな。ツレ「さるにてもあぶなき。御 命かなと上人も。警固の兵も。皆涙をぞ流 しける。ツレ「いかに申し候。余に嬉しう候 ふ程に。酒をもたせて候。聞し召されて関 東へ御下向候へ。我等も六代御を御供申 し。都へ罷り上らうずるにて候。ワキ「畏つ て候。文覚余の嬉しさに。地「悦の舞をぞ 奏でける。時政時をうつさじと。/\。 暇申せば上人六代を伴ひ給ひ。御輿を先 立て。急げやいその浪もろともに。/\。 都に帰るぞありがたき。