花文庫 Flower library(黒カバー版)

佐藤プロから出たB6版単行本(No.20より前はA5判)。まだ全貌は分かりませんが、リスト化しておきます。刊行年代は、全く記載がないので分かりにくいのですが、かなり新しくて、もはや1967年後半〜1969年くらいの間だと思います。

No. タイトル 初出の最終年次 書誌など




No.20 『赤んぼ少女』× 1967年
フレンド
所収は『赤んぼ少女』のみ。
ゆたか書房仕入「1968.8.6」
No.21 『悪夢』 1966年
フレンド
140頁、定価230円。表題作のほか、『雨女』『赤い服の少女』併載。表紙に「怪談特集号」とある。
No.23、24 『ロマンスの薬』× 1967年8月
なかよし
ゆたか書房仕入「1968.12.3」
No.26 『右手の秘密』× 1967年7月
平凡
「右手の秘密」「その目が憎い!」「奪われた心臓」「呪いのヨット」「吸血面の呪い」「切れない枯木」「800年目のミイラ」併載。表紙に「楳図かずおミステリー傑作集/高校生記者シリーズ」とある。
No.27 『人こぶ少女』 1969年1月
平凡(動く自画像)
172頁、定価240円。本体字表紙。「動く自画像」「謎の毒蛾」「恐怖の館」「顔を見ないで!」「犬神の死霊」「雪女の恐怖」「コンドラの謎」のほか、『少女フレンド』連載の表題作を所収。表紙に「ミステリー劇画傑作集!!」。初頁に挨拶文(佐藤が書いた感じ)があり、「前回配本分の『右手の秘密』」云々とある。最終頁に『影姫』の近日刊行の予告あり。
ゆたか書房仕入「1969.3.15」
No.29 『地蔵の顔が赤くなる時』 1967年2月
平凡(雪女)
188頁、定価240頁。本体絵表紙。「雪女」「狐がくれた木の葉っぱ」「人魚物語」「地蔵の顔が赤くなる時」を所収。表紙に「民話特集号」。
ゆたか書房仕入「1969.5.21」
No.30 『影姫』 1968年2号
フレンド
172頁、定価240円。本体絵表紙。表代作のみ。写植はオリジナルのままで、コマノンブルも残る。
ゆたか書房仕入「1969.6.21」
No.なし 恐怖劇場『呪いの面』× 1965年
フレンド
200頁、定価240円。表題作以下、『百本目の針』、『呪いの振袖』、『幽霊がやってくる』、『あなたの青い火が消える』所収。
No.なし 恐怖劇場『猫面』 1868年15号
ティーンルック
139頁、定価240円。本体字表紙。表題作のみ。あちこちに再掲載されているが、ティーンルックのほうが本版より先だと思う。「恐怖劇場」というサブタイトルを有し、また「花文庫」というレーベルは付かない。
ゆたか書房仕入「1969.9.4」
No.なし 『かげ』 1968年
ティーンルック
172頁、定価240円。本体字表紙。表題作のみ。表紙に「サスペンス, ミステリー」。
No.なし 『山びこ姉妹 へびおばさん』 1964年
『花』佐藤プロ
180頁、¥240。本体字表紙。表題作のみ。
No.なし 『偶然を呼ぶ手紙』 1968年
ティーンルック
164頁、¥240。本体字表紙。表題作のみ。最終頁に『女の子あつまれ』の近日刊行予告あり。

初刷版と後刷版が存在します。中味は全く同版だが、初刷は、背表紙の「Flowey library」が白、見返紙は朱色、本体の高さが17.9cm、後刷は、背表紙の「Flowey library」がピンク、見返紙は濃い赤、本体の高さが18.4cm。
ゆたか書房仕入「1969.10.3」

No.なし 『女の子あつまれ!』(全2冊) 1968年7月
なかよし
(1冊目)140頁、¥240。本体字表紙。併載作品なし。
ゆたか書房仕入「1969.11.17」。

(2冊目)140頁、¥240。本体字表紙。「まぼろしの蝶」併載。
ゆたか書房仕入「1969.12.10」。

参考文献:『フィギュア王』No.16 (ワールドフォトプレス 1998年11月)

考察:

  1. 花文庫のナンバー通りの順番で刊行されたのだろうなあ、と思う。
  2. ナンバーの無いものは、ナンバーありのモノより後で刊行されたのだろう、と思う。
  3. ナンバーの無いもののうち、近刊予告の存在によって、『偶然を呼ぶ手紙』→『女の子あつまれ!』の刊行順は確定、と見る。
  4. 花文庫のうち、A5版の最後はNo.18の『ふりそで小町捕物帳』だと思う。この初出は『少女フレンド』1967年25〜27号なので、上掲の黒版はその後、1967年の後半以後に刊行が始まっているはずである。
  5. No.27『人こぶ少女』は、1969年1月号『平凡』初出の「動く自画像」を含む。ゆえに、No.27以後は1969年以後の刊行である。
  6. 以上の考察は、刊行順序がはっきりしてないので、あまりあてにならない(笑い)。
  7. 貸本には基本的に、「初刷」も「後刷」もないと思っていましたが、本シリーズに関しては、数度に渉って刷りが行なわれていると思われます。確認できた分は、『偶然を呼ぶ手紙』だけですが、現存本のうち、デッドストックと思しきまっさらな美本の多くは、後刷だと思う。見返紙も、ペラペラでなくよい紙を使っている。