• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 2002年08月
• [所収]
• [頁数] 24P
• [内容] 携帯電話の出会い系サイトが題材。主人公の名前は「谷間ユリ子」。ひさびさにかに道楽も見られる。
• [備考]

[初出] 『ミステリーDX』角川書店 2002年02月、03月、 [所収] 『緋色の囁き』角川書店 2002年10月 [頁数] 107P + 74P + [内容] 綾辻行人の同名小説（講談社文庫）のコミカライズ。前中後編の大作。前編の冒頭3頁は4色で、2、3頁目が扉絵。 [備考] 左は、主人公の少女・冴子。ボリュームのある髪型、胸元を見せない厚着なイメージ、もちろん大きな眼。なかなかの造型でしょう。また、今回は特に複雑なコマ割りにも特徴が出てます。少女マンガ式の重層的なコマ割りが(初めてかな？）が多用されていますが、読みやすいし論理的ですね。ともかく、これ考えるの、たいへんだったろーなーとおもいます。お疲れさまでした。ともかく全２００頁の大作です。同じ事ですが、例えば二人の会話場面などでの、一呼吸の置き方とか、非常に好きです。改めて、児嶋都の才能とガンバリを見ました。展開は、因果応報の窮極形態としての謎解き・探偵モノであるゆえに、モチーフ(緋、血、女）のわりには、テーマは軽い。謹厳な女学校という、きょうび現実味のない空間が、それを補っているのだろう。なお、単行本になる予定らしい。

[初出] 『サスペリア・ミステリー』秋田書店 2001年12月号・別冊附録 [所収] [頁数] 30P [内容] 横溝の金田一シリーズ「蝙蝠と蛞蝓」のコミカライズ。とはいうものの、私は横溝って全然しらないんです。だから、原作との比較はできないのですが、たぶん、原作の持つ昭和初期の 江戸弁の雰囲気なんか が、上手にセリフにも盛り込まれて、児嶋ののびやかでユーモアたっぷりの画風にもマッチしていて、いい雰囲気になっているのだろうと思う。ふつう横溝というと、犬神家式のおどろおどろしいイメージが強いが、本来は江戸の文人崩れ的な洒脱な作家なんだろ、ほんとは。その点、児嶋先生の作風に、実に合っている。金田一君も、すこしすがすがしいが、よい感じになっている。同誌に別記されている、児嶋先生の金田一像を引用します。 児嶋の想像する金田一兄さんは、 エキセントリックではない ほがらか 多少不潔でも上品 セクシャリティが無い。等々 でしょうか。 とのこと。なるほどね。いろんな俳優がやっててかなり金田一像ってのも固定化されてたような気がしていたが（しかし古谷は下品だわな）、児嶋のそれはかなり違いますね。きっちり独自のキャラ設定がなされて、あらたな魅力を持ってくる。(その後、原作も読みました。原作では、時代設定は戦後直後と銘記されてました。児嶋作品は、そのあたりをうまく処理してますね）。 [備考] その他、途中に出てくる、戯画化された蛞蝓女のあたりは、たいへんユーモラスで結構です。また、その時の背景の原稿用紙、これ手描きでしょ、凝ってるね。時代設定とかファッション的には、電柱なんかも見えたりして、昭和三十〜四十年代って感じかな。バカ正直に昭和初期風ではなく、こういう点も児嶋の才能だと思う。また、私が児嶋作品を読み慣れてるせいというわけでなく、人物の区別が非常につきやすい。同誌のほかの作者の作品なんか、おれにはよくわからんものもけっこうある。 ところで、12Pの原稿用紙と18Pの警察が持ってるそれと、なんか違うけど、こういうの探偵物のあり方として、いいのかな（笑い）。逆さ写植の「嘘」「嘘」、「嘘」（最後の「嘘」は横長のコマの描き文字）とかいうコマ割りが、児嶋先生らしくて、非常にユーモラス。

• [初出] 新創刊『サスペリア・ミステリー』秋田書店 2001年11月号
• [所収]
• [頁数] 16P
• [内容] おーっと、ひさびさの復活！「嘘と誠」鬼瓦兄弟！これは期待できますね。前半の兄弟の絡みは、いまだ健在。
• [備考] 『サスペリア』がホラーをヤめ、ミステリーへ路線変更したらしい。児嶋先生にもちゃんとお声を掛けて、秋田はそれはそれでエライ。しかし、私個人としては、ホラーほど素晴らしい器はないのになー、とおもいますがねー。

  ところで、今回の作品、これ、ミステリーですか。多湖輝『頭の体操』だよなあ。ていうか、まあ、僕はミステリーつうのがよく分からないんだが。今後も連載になるのでしょうか、期待しています。

• [初出] 『サスペリア』秋田書店 2001年09月号
• [所収]
• [頁数] 28P
• [内容] 原作／矢口史靖。原作付きで、作画が児嶋都。内容的には、飼い猫と憧れの彼女が入替わるという、『変身ポンポコ玉』か『転校生』か、まあ昔からあるタイプ。児嶋本人ならまずこういうくだらないストーリーは思い付かないだろう。ただし、児嶋のユーモアたっぷりの絵柄や、スピーディなコマ割りなどは、十分堪能できる。『嘘と誠』なんかの頃のコメディーの雰囲気を思い出させ、かつ駄酒落で落してたあのころよりも良い。児嶋先生は、なんでも描けるんだなあ、というのがよく分る。個人的には、本格ホラーにこだわらず、こういうコメディタッチの作品もどんどん描いて欲しい。

  

  最近、人差し指（楳図式）がやたら目立つが、私は好きだ。

  しかし、猫っぽい女の子の造形とか、かなり上手いと思うんだけどなあ。動きの表現も良いし。可愛らしさとか、猫の本性を現した激しい表情とか、普通の人間の時とか、描き分けなんか天才的で、こんなに上手い作家がなぜブレイクしないのかねえ。今回は、表紙に名前さえ出てない（あいや、よく見たら有った）。
• [備考] 8月10日大映ビデオ、矢口史靖監督『怪猫伝説』の漫画化だそうです。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 2001年08月
• [所収]
• [頁数] 16P
• [備考] 「本邦初の伊藤潤二完全パロディ作品。絵のタッチからストーリー、そしてタイトルや擬音にまで至る徹底ぶりが痛快。元ネタは「血玉樹」「相部屋」「双一の楽しい日記」の３本と見たが、どうか。編集部に寄せられたハガキの中に、「パクリだ！」というものがあったそうだ。子供には少し難しいかもしれないけれど、これはパクリではなく非常にレベルの高いパロディかつオマージュなんだよ。間違えないように。」(山本ニィーミュージック評）

• [初出] 『まんが　グリム童話』ぶんか社 2001年08月
• [所収]
• [頁数] 4葉
• [備考] 山本ニューミュージック情報による。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 2001年07月
• [所収]
• [頁数] 14P
• [備考]

[初出] 『ダ・ヴィンチ』メディアファクトリー 2001年05月号 [所収] [頁数] 2P4C [内容] 「マンガ化してみたいこの小説」という特集で、児嶋VS綾辻行人の対談があり、おまけとして『十角館の殺人』の一部分を、マンガ化されてある。2頁分の作品で、カラー作品。ペンは一切使わず、水彩絵の具だけで絵が描かれている。児嶋都は、ペンの描線も素敵だが、こうした色原稿も上手い。 [備考] 対談記事では、児嶋都の近影艶顔も見られますよ。綾辻せんせいの、ちょっとテレた感じの表情もかわゆい。

• [初出] 『サスペリア』秋田書店 2001年04月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [内容] 「特集　あなたの知らない病院の真実」と題して、病院をテーマに５人くらいで描いている。単行本『眼球綺譚』後とでもいうべき作風。
• [備考] タイトルは、ほんとは「血管病棟」だったそうである。編集の誤植で現題に。

• [初出] 『眼球綺譚 -yui-』角川書店 2001年01月18日
• [所収]
• [頁数] 6P4c
• [内容] 『眼球綺譚 -yui-』のための描き下ろし。原作綾辻行人。
• [備考]

• [初出] 『サスペリア』秋田書店 2000年12月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [内容] 「特集　怖い親たち」と題した３人によるオムニバス。稲垣みさお「父親作り」(24P)、神代京子「肉人形」(28P)、そして児嶋都「家族幻夢」(24P)の三作。本作は悪くないが、ほかの二作の出来も良くて（見直した）、児嶋一人で光ってるって感じではない。ネタバレになるので掲げないが、写真の肖像はその絵だけで怖くて感じいい。加えて、「替りはある」というモチーフは、ストレートな心理恐怖を作れるほんとに良いモチーフだとおもう。が反面、親の設定が笹江・マス夫でそれは良いが、中年夫婦じゃないほうが良かったんじゃないかなあ。ちと、辛気臭いのと、ギャグっぽすぎる。

  

  この絵は、いいね。『サスペリア』はこの絵柄で責めてってほしい。

• [備考] 『サスペリア』連載確定、という感じです。しかし、『サスペリア』―― 作品を掲載してない犬木せんせいの絵が、なぜ表紙？ 児嶋先生に表紙を飾って欲しい。

[初出] 室井祐月『作家の花道』集英社 2000年12月20日 [所収] [頁数] 2枚 [内容] 表紙の絵を描いている。装丁は妹尾浩也というかた。 [備考] 「ムロイさんの本の表紙……」と聞いていたので、「室井滋か、それはすごいな」と思っていたが。しかし、こちらのムロイは、元レースクイーン、モデル（エロ雑誌）、そして「ミス栃木」だったんだそうだ。中を読むと、銀座のホステスとかもやってたようだ。まだ20代といった風に読める。だからといって特に興味はないが、高橋源一郎と結婚したらしい。高橋源一郎ね〜。男は顔じゃないってことか。若いのみつけたね〜。なんとなく、きにいらねえなあと思う（笑）。

[初出] 『ザ・ホラー』角川書店 2000年10月号 [所収] 『眼球綺譚 -yui-』角川書店 2001年01月18日 [頁数] 41P(扉1P4C) [内容] 学生時代に、誤ってゴキブリ入りのカレーライスを食べてから、イカモノ喰いにはまった男。YUI（ゆい）という女主人の営む特別料理の店に通うようになり、窮極の美食（＝イカモノ）に舌鼓をうつのだが……。ラストでは、妙なかたちのハッピーエンド。 原作の意味が解んなかった人 も、この作品でよく分る（笑い）。 [備考] 綾辻行人原作シリーズ・第三弾。今回は、すこし笑いのテンポも入っていて楽しい感じだが、出てくるくるメニューがすごいので、御注意を。

• [初出] 『サスペリア』秋田書店 2000年10月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [内容] ふつうの女子高生・麻利亜（まりあ）の膝に、寄生体が突然生まれる……。人面瘡というオーソドックスなモチーフを中心としつつも、摂食障害、水子、都市伝説、因果論、母子関係、ヒザ出しスカート、女子の成長、等のさまざまで複雑な主題をおしげもなく盛込んだ傑作！

  絵柄は、ひさびさな感じのする98年型。進化を続け、それを期待する純潔児嶋ファンには申し訳ないけど、このタイプの絵柄が僕は一番好きだなあ。お母さんも、サザエ・ヘアーだし。あとまあ、

  「食っちゃう」つうモチーフ

  は、やっぱり、いいですねえ。それと、その「ひざこぞう」も、一見ユーモラスなようで、実にキモチワルイです。ただ、右ヒザだったり、左ヒザだったりしてるのは、ちっとな〜。

  

  上の絵を見てもわかると思うが、

  児嶋作品の良さは、やっぱり人物の表情

  ですねえ。「ひざこぞう」を見て驚く親子の図。
• [備考] トビラのアオリに「全国１億３千万のホラーマンガファンのご期待にお応えして、児嶋都（ホラープリンセス）…本誌初登場!!」とある。やったね！プリンセスだってさ（笑）。やっと、真価が問い直されてきたのかな。「サスペリア」は連載になってほしいなあ。

• [初出] 『名探偵に乾杯』秋田書店・サスペリア10/20増刊・ミステリーSP VOL.12 2000年09月(第1号)
• [所収]
• [頁数] 2P
• [内容] 「私が愛する名探偵」と題した、マンガ家によるイラストエッセイの第１回を児嶋が担当。綾辻行人編。
• [備考]

• [初出] 『小説すばる』集英社 2000年08月号
• [所収]
• [頁数] 全2葉
• [備考] 綾辻行人の短編小説「崩壊の前日」の挿絵。幻想系。

[初出] 『ザ・ホラー』角川書店 2000年08月号 [所収] 『眼球綺譚 -yui-』角川書店 2001年01月18日 [頁数] 65P1P4C [内容] 父娘相姦のトラウマにより妄想に生きる若くて美人の咲谷由伊と、柔弱ゆえに彼女を受け入れその狂気に感染してゆく中年大学教員の宇城。モチーフは、ずどーんと重くてヒサンで、いや〜なかんじ。その割りに描かれるのは消費的なシチュエーションのみで、テーマ性は低い。マンガでは性のトラウマを直接は描かず、 乙女チックな狂気のファンタジー に仕上げた名作。 [備考] 綾辻行人『再生』（『眼球綺譚』所収）のコミック化。原作としては、前作『眼球綺譚』のストーリーの複雑さに較べ、本作『再生』のほうは雰囲気勝負のストレートな話なので一見やり易そうに思えるが、逆に一層、コマへの展開などは技量がそのまま問われることになると思う。コマ割りはマンガの命だが、児嶋都はこの点、ほんとに天才的。 初出は、タッチが鉛筆描きのラフな感じでいつもと違うが、こういう部分、 あー、絵が上手いんだなあ というのがよく分る。男（宇城）の服のしわだとか、並みの絵描きではかけませんよ。 チョイ役に、神経科の医師・萩尾というのが出てくるが、これ、ウメズ先生みたいですね。 ほか、揚げ足取りひとつ。右手で包丁もってれば、切断しちゃうのは左手の指ではないか。誤字ひとつ。観視は監視でしょう。 単行本『眼球綺譚 -yui-』版では、ペン描きになっている。

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 2000年06月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん２』（マジカルホラー2 マガジン・ファイブ） 2003年09月06日
• [頁数] 30P
• [内容] 「怪奇！肉ドレス少女」の時の、アイドル新人歌手「ひまわりちゃん」登場。覚えてない人は、『ザ・ホラー』バックナンバーを見よう！（って、それよか、単行本に早くなってほしいよお）。ほかに「児嶋アナウンサー」もでてくるよ。

  

  上の絵……、笑えるぜ（あはは）。

  なお今回、肉子ちゃんは黒尽くめのコスチュームで登場。黒ベタなので、描くのもラクだろうし、スタイルもばっちりきまってます。
• [備考] 最近、なんとなく、児嶋作品はテンションが高い！

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 2000年04月号
• [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
• [頁数] 32P
• [内容] 今回は、

  肉子ちゃんの七変化

  が楽しめます。6歳の頃の幼な子ヴァージョン、痩せて可愛いヴァージョン、ちょっと健康的になったヴァージョン、車に轢かれて痛々しいヴァージョン、眼ん玉むきだし何でも食べちゃう恐ろしいヴァージョン……。それらにともなって、肉子ちゃんのあいらしいセリフ廻しと多様な表情を楽しんで読みましょう。

• [備考] 脇役のマチ子ちゃんのおどろいた顔だとかも、なかなかスゴくて、それだけで見てても飽きない。似た画風とされる山咲トオルさんと比べても（比べてすいません。でもファンです、うふ）、児嶋都のほうには、手が込んでいるが神経質っぽい嫌らしさは無く、

  随分おおらかである。

  おおらかではあるが、描写に手が込んでいるから、恐怖の演出が可能になっていると思う。それが、見方によって、恐怖にも笑いにもなる複雑な味を作っていると思うなあ。

  アイパッチの少年が出ているが、日下日上（くさか・ひがみ）くんという名前らしい。

  ああそうだ、誤解の無いように弁明しときますが、山咲さんのは、あの神経に触る陰気な感じが良いのです（なおさら誤解を生む？）。因みに、ぼくは完璧に見分けてみせます（ほんとかな）。

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 2000年02月号
• [所収] 『眼球綺譚 -yui-』角川書店 2001年01月18日
• [頁数] 65P1P4C
• [備考] 綾辻行人の同題の小説（集英社文庫『眼球奇譚』あ-37-1）をマンガ化した。原作は、文庫でも80頁近い複雑な中編だが、持て余すことなくストーリー・スタイル・イメージ、ともに忠実かつ丁寧に再現している。原作に無い部分としては、高校時代の「茂」はある妖艶な女性……結局ゆめかうつつかよく分からない人物……に逢っているが、マンガでは母（か、その面影を強く持った人物）としてより強調して描かれる。その女性（母）は、目を閉じてキスをするか、と口から眼球がこぼれ出す、もう一度まぶたを開くと……、とネタは明かさないでおこう、ともかく一種の手品だな……、かなり秀逸なシーンに仕上がっている。なお、「母」はラストシーンにも現れ、原作には無かったテーマ性を与える。ともかく、ストーリーだけでもけっこう複雑で、

  立ち読みくらいじゃ、この良さが分からないと思うで、買ったほうがよい。

  その他、原作ではワープロ印刷のものをマンガで原稿用紙にしたり、アイスピックをパレットナイフにしたり……、特に原稿用紙は効果的。

  コマ割りは、めちゃくちゃウマイ。どのくらい上手いか実感するためには、たとえば「茂」が同窓会の帰り道に酔っ払って「ヒック」と言いながら、重松の忠告を回想し、そして「まだ帰れないぞ」を繰返すページがあるが、そのコマ割りを、ためしに入れ替えて見ると良い。仮に「まだ帰れないぞ」「重松のいるコマ」「ヒック」で並べ返れば、ストーリーにはさほど影響ないが、「ヒック」の一言がまるっきりギャグになってしまう(笑)。現状のコマ割りが完璧なのです。

  原作が長いぶん、ふだんよりかなり細かく割ってあるが、見開き１面の部分が１ヶ所だけあり、「茂」の描いた作品もすざまじいが、彼の恍惚の表情がなんとも良い。また、僕としては、（このコマはあんまり「コジマっぽく」ないのだが、人差し指の曲がり具合いなどは「コジマ」そのもの）

  視点の定まらない咲谷美都子の顔が美しい。

  

  推測ひとつ。原稿用紙に書かれたサインペンの文字は、児嶋先生の自筆か。質問ひとつ。原稿用紙タイトルの筆文字は、御手ですか。疑問点ひとつ。「ＡＭ１２：１２」という時間は、あんまり無いのでは(笑)。

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1999年12月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん』（マジカルホラー1 マガジン・ファイブ） 2003年05月02日
• [頁数] 16P
• [備考] 今回の肉子ちゃんは、いままでとだいぶ造形的に雰囲気が違っていて、純粋な「さすらいのダイエット乙女」から、段々に「まことちゃん化」してきて、実にケッコウ。

  まことちゃん化 ： 人物造形的に、全然一貫性がない

  いままでは、ちょっと健康的すぎる意志の強い乙女だったし、前回はおろち的狂言廻しとして奥に引込んでいた感じであったが、今回はその強い意志が逆に笑われ役にもなってる。まことちゃんでたとえるなら、ハプハプのまことちゃん。その分、共感しやすい面もある。一般にギャグマンガの主人公なんかが、なんとなく一貫した性格を持つ事があるが、これは意図的な造形というよりは作者の想像力の限界に依存している場合も多いはず。肉子ちゃんはそういう限界を超えてゆこうとしているのでありまする。また、今回は前回よりも表情も豊か。パンダのポシェットにコジマ虫がひっそり復活してるのもうれしいなあ。オチがいつものパターン、とか言ってはいけない。単純に、表層のストーリーだけを読んでちゃダメ。ちっちゃいコマだが、のけ反るアイ子ちゃんたちの顔なんかもじっくり楽しもう。ともあれ、むちゃくちゃハチャメチャなまでに、ぜひ肉子ちゃんの実に多面な造形を作り上げていって欲しいと願う。

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1999年10月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん２』（マジカルホラー2 マガジン・ファイブ） 2003年09月06日
• [頁数] 41P
• [備考] あれっ、タイトル変わってます。（副題は単行本所収時に付けられた）

[初出] 小説現代増刊９月『メフィスト』講談社 1999年09月14日 [所収] [頁数] 全4葉（扉含む） [備考] 綾辻行人の小説の挿絵を描く。 しかしさあ、ミステリーとか推理小説って、最近、こんななのかねえ。中味は、『サザエさん』のパロディ的、家族の崩壊劇。『アッシャー家の崩壊』のようなものを期待してたんだが、全然違う。登場人物は、「笹枝」等、それなりに作ってあるが、省略して紹介すると、フネがある日、発狂して八百屋で包丁を振回し、人を殺して自分も死ぬ。そこから伊園家の崩壊が始まる。波平も借金をこさえて死に、サザエは家族の重圧から覚醒剤漬け（注射器で打つやつ）。マス夫は外で浮気していて、高校生になったカツ夫は勉強の出来ない不良（ふるい）。ワカメは交通事故で両足切断の車イス生活。タラちゃんはいじめられッ子。ついでにイクラちゃんは知恵遅れ。タマ2代目が居る。で、事件は密室状態でサザエが頸動脈を切られて死亡する。とまあ、設定は面白いのだが、ストーリーがサザエ殺人事件の犯人と手口探しに終始し、「読者への挑戦」とか言ってる（当然、おれは考えもしないで続きを読んだ）。加えてシチ面倒臭い、推理小説の作法の御託を並べて、読むのもかったるいし、しかも言い訳がましい。僕としては、「なぜ、フネが発狂したか」ということを書いてくれたほうが、よっぽど面白かないか。 でも、児嶋先生の挿絵はよいですよ。マンガと異なり、挿絵だけに、一枚での完成度が高い。丹念に描いてあって、芸も細かい（注射器４本も刺してる腕を見よ。笑い）。 壁紙にどうぞ 一言だけ文句を言えば、1400円もしたのが誤算。 本『メフィスト』誌、巻頭は京極夏彦。文章やっぱ上手。ただ、想像力にまかせて自由気ままに書いてるように写るかもしれないが、現実の京極は学者以上の研究熱心さで、しいて言えば現代の秋成か鴎外かといった作家（おう、誉めたね）。 追加。レムに有難いお言葉がありました。綾辻せんせい、児嶋都をどんどん使ってくらはい。 正気の人間なら誰も、推理小説の中に犯罪についての心理学的真実を捜したりはしない。そういうことを求める者は、むしろ『罪と罰』に向かうだろう。つまり、アガサ・クリスティに対して上級審となっているのがドストエフスキーというわけだが、正気の人間ならば誰も、そのせいでこのイギリスの作家の小説を非難することはないだろう。（スタニスワフ・レム／沼野充義訳「ペテン師に囲まれた幻視者」『悪夢としてのP・K・ディック』サンリオ1986）

[初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1999年08月号 [所収] [頁数] 18P [備考] ロシアの民芸品・マトリョーシカをモチーフにした２つの話。inner version とouter version とがある。右の絵は前者。妹が欲しくて、自分で生んで仕舞う（そりゃ、娘だって！）

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1999年08月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん』（マジカルホラー1 マガジン・ファイブ） 2003年05月02日
• [頁数] 40P
• [備考]

[初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1999年06月号 [所収] [頁数] 49P1C [内容] 虚偽の「美」へ敢然と挑む、さすらいのダイエット乙女・大盛肉子こと大森似久子（おおもりにくこ）。あやつる日本語も麗しく、こんなのがカワイイと思ってしまう私は、ちょっとマズイ。日本人が忘れかけた、乙女がここにいます（？）。 [備考] 左の絵は、『ザ・ホラー』8月号から。（副題は単行本所収時に付けられた）

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1999年04月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん』（マジカルホラー1 マガジン・ファイブ） 2003年05月02日
• [頁数]
• [内容] 楳図『洗礼』へのオマージュ。よく出来てます。
• [備考] 所見は単行本のみ。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1999年04月
• [所収]
• [頁数] 22P
• [備考]

  「「こぶとり姫」アナザー・ストーリー。その後、小太り少女は「大森似久子」に受け継がれる。こぶとり姫のライバル・こがお姫のとりまきの二人は、アイパッチ少女＋パーマ少女の組み合わせでした。今度のライバル・はがね姫のとりまきはアイパッチ少女二人です。」(山本ニューミュージック・評）

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1999年01月
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん２』（マジカルホラー2 マガジン・ファイブ） 2003年09月06日
• [頁数] 14P
• [備考]

  「同タイトルの前作で王子様に見初められたこぶとり姫に、今度はしあわせ太りの危機が。」（山本ニューミュージック・評）

[初出] 1998年ころ？ [所収] 『微笑の快楽』純愛の快楽増刊 ぶんか社 1999年9月 [頁数] 30P [内容] 家族愛をモチーフにした、教訓・戒め的作品。傑作です。絵を見てるだけでも笑えます。左の絵もかっちょいい。そして、この次のコマ、見開き断切りの「奥様パンチ!」や、それでぶっ飛ばされる頓田原留子の姿など、まさに 絵の上手さで笑わせます ちからコブで左の肩ひもがブッチ切れてる芸の細かさを見よ。 [備考]

• [初出] 『大恐怖』蒼馬社 1998年ころ?
• [所収]
  • 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
  • 『ホラーウーピー』リイド社 1999年9月（秋号）
• [頁数] 12P
• [内容] 一頁一コマで、結婚にまつわる二つの話が同時進行する、という変った構成。

  児嶋版『闇のアルバム』

  奇数頁はお姫様のハッピーエンドで絵本編、偶数頁は醜女のハッピー（？）エンドで怪談編。それぞれ絵柄も違う。アイパッチ少女・アイ子ちゃんも出てくる。
• [備考]

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1998年12月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん』（マジカルホラー1 マガジン・ファイブ） 2003年05月02日
• [頁数]
• [備考]

[初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1998年11月号 [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん２』（マジカルホラー2 マガジン・ファイブ） 2003年09月06日 [頁数] 14P [内容] 小太りなダイエット少女。ストーリーは、単純な昔話・ファンタジーなのだが、個々のカットで、表現が実に楽しめる。 [備考] 左の絵２カットは、ライバルの「こがお姫」。同じ人が、同じ人（姫）を描いているのです。

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1998年10月号
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん』（マジカルホラー1 マガジン・ファイブ） 2003年05月02日
• [頁数]
• [内容] こっちは、楳図『神の左手悪魔の右手』へのオマージュだね。これもいい。
• [備考] 所見は単行本のみ。

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1998年08月号
• [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
• [頁数] 16P
• [内容] 一般に児嶋都については、「楳図風タッチ」とうるさいくらいに論評されるが、でもそれは「完全な模写」ではないよ。完全な模写は微妙に危機一髪で避けられている。それに比べて、本作に出る水木しげるキャラを見よ。これこそ、完全な

  タッチの模写ですよ。

  モチーフでなく。描線には伸びがあって、水木本人（か、アシスタント）が描いたとしか思えない、完璧な児嶋の描出の底力です。鼻息だとかまで、もう完璧よん。

  

  ストーリー的には、なんか男にはミミの痛い話ですね。いや、女でもそうかな。ともかく、こういうシリアスなネタをギャグにしてしまう力量はすごいですよ。

• [備考]

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1998年08月号
• [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
• [頁数] 32P
• [備考] 「ふたり地獄」と「化粧地獄」が合わさると、こうなる。「素顔で見つかる恋」も、ここまで間違った道へ行っちゃうと、すこしキツイかな〜（笑い）。読後、後味はよかったりする。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1998年08月
• [所収]
• [頁数] 18P
• [内容] いじめとその逆転。暗い性格の小学生で、あだなはもぐらちゃん。それをおとなりの良子（よいこ）ちゃんがいつもかばっていたが……。
• [備考]

  「もぐらちゃんが読んでいる『ポンド氏の逆説』は、G・K・チェスタトンの作品。推理小説アレルギーなホラー/幻想ファン、そして『サスペリア・ミステリー』2001年11月号「嘘と誠・鬼瓦嘘次郎の事件簿」の面白さがよく分からなかった方にこそ読んで欲しい。より幻想味をお求めのあなたには『木曜の男』がオススメ」（山本ニューミュージック・評）。

  「嘘と誠」の面白さが分からなかった方って、オレじゃん（笑）。

[初出] 『オール怪談』蒼馬社 1998年07月(第4号) [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日 [頁数] 24P [内容] これは傑作です。親友のマリナとレオナ。いつも一緒にいたいと願っている。二人の入浴シーンが、なんともいえず、良い。 [備考]

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1998年06月号
• [所収]
• [頁数] 18P
• [備考]

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1998年04月号 [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10 [頁数] 16P [内容] 男運の悪い女・総務課マチ子 29歳。素顔で見つかる恋はあるか。 [備考]

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1998年04月号
• [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
• [頁数] 22P
• [内容] 王子様は、奥深い森の湖で人魚姫と出会う。ふーむ、人魚姫って海にお住いだとばかり思っていたが。人魚姫の下半身は魚だから、人間の王子様とは結婚できない。なら、そこに人間の足をつければよい―― という風にうまくいくかどうか。会話はみな「 」で括られて、メタ的な語り。
• [備考] 初出は推測。

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1998年04.20 増刊号）
• [所収] 『怪奇大盛!!肉子ちゃん２』（マジカルホラー2 マガジン・ファイブ） 2003年09月06日
• [頁数] 32頁
• [内容] 肉子ちゃんのプロトタイプ。というか、（たぶん）大森似久子の初出。まだ、フリークス的、怪奇な要素が強い。
• [備考] 初出本未見。

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1998年03月号 [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10 [頁数] 16P [内容] 肥満の主婦がダイエットを決意する。子供は、美香（ただし男）とまこと、亭主はまことちゃんのパパ。家族を思う、教訓ある作品。 [備考]

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1998年02月
• [所収]
• [頁数] 16P
• [備考]

  「クラスの女の子全員が美人になっていく、という伊藤潤二作品「薄命」がありますが、同じネタを使いながらも、全く独自の児嶋印ホラーに仕立て上げられている。大傑作、乞単行本化！！　女子高生たちが集団で踏み切りを横断する見開きカットは、数ある児嶋作品の中でも白眉の鬼気迫る出来。壁紙にしてみたい。 」(山本ニューミュージック・評）

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1998年01月号 [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10 [頁数] 20P [内容] 自殺願望癖のある若妻、笹江さん。 ヨメの生きる道……それは獣道 なんかよく分からんが、ものすごく笑える。 [備考] 『サザエさん』のパロディ。児嶋作品中、僕は一番好きです。綾辻行人もこれを見て、挿絵の依頼をしたのかな。ストーリー展開はほんわかしているが、毒にまみれたものすごい作品です。絵も素晴らしく、表情が記号的表現を脱していて、 すべての感情において、個々の表情が描き分けられている。 ほどほどに上品で、たぶん数ある『サザエさん』パロディの中でも、最高傑作疑いなし。 唐沢俊一氏に『こども地獄』の書評があり、やっぱり本作を第一に推していた(『ホラーウェイブ』1号 1998-07 ぶんか社)。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1998年01月
• [所収]
• [頁数] 16P
• [内容] 転校生・好美ひばりは、学校の伝統霊・霊子さんに背後にとりつかれる。霊子さんは、見た目はキモチワルイが、好運をもたらす霊。しかし、好運というのも、続きすぎるとハタ迷惑なもので、結局は、霊子に振りまわれてるだけ、とひばりちゃんは達観している。
• [備考]

  「これはホラー・ギャグの傑作！！タイトルといい、主人公の名前「好美ひばり」といい、随所にオールド・ホラー・コミックへのオマージュが。とにかくポジティヴな主人公の人物造形からは、『純生キッド』の林檎ちゃんが思い出される。全体の絵のタッチも『純生』っぽい。」(山本ニューミュージック・評）

• [初出] 『ザ・ホラー』角川書店 1997年ころ？
• [所収]
  • 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
  • 『微笑の快楽』純愛の快楽増刊 ぶんか社 1999年9月
• [頁数] 33頁
• [備考] 『微笑の快楽』は、再掲載だと思います。

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1997年12月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [内容] 意味不明、徹底的なスプラッタです。出っ歯のブスやサザエさんなど、懐かしい児嶋キャラ勢揃い。この「恐怖の館」シリーズの最終回。はやく、『恐怖の館』第二巻として単行本化してほしい。アオリ、「涙と感動のフィナーレ!!すばらしき児嶋都」、「児嶋都先生も涙　ナミダ……世界中の児嶋ファンの方　ありがとう!!」。「ホラーコミック界のプリンセス・児嶋都先生の次回作にご期待を!!」。担当、乗ってるぅというべきか、ナニ考えてんだ、というべきか。
• [備考]

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1997年11月号 [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10 [頁数] 16P [内容] この人は子供がすきなエプロン・ママだが、自分の子供は居ないらしい。でも、公園にはお手軽にいっぱい子どもたちがいます……。ヘアスタイルはサザエまげなのら。 [備考]

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1997年11月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [備考] 「児嶋都」のクレジットの上に、「乙女の悩み救済委員」と書いてある。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1997年11月
• [所収]
• [頁数] 22P
• [内容] いじれられても反論せず、できず、なんでものみこむ少女。のみこんで、時間が経てばわすれられる……と信じて。設定としてもうまく、救いのなさも、なかなか。
• [備考]

  「「いじめ地獄」三部作最終回。コメディ・タッチではあるが、かなり重い話。いじめられっ子少女が無表情のまま大粒の涙を流すカットに、胸が熱くなった小中学生は多いのでは？」(山本ニューミュージック・評）

  ニューちゃん、優しいね。

[初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1997年10月号 [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日 [頁数] 16P [備考] 基本的に救いようのないような話ではあるが、それは作品の問題というよりもイジメ問題そのものの持つ救いようのなさに起因する。すくなくともイジメの本質を突いた作品。「さいしょのひとり」として勇気を出せない、全国の少年少女へのレクイエム。 左画、 こういう顔、得意だよね（笑い）。

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1997年09月号
• [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日
• [頁数] 16P
• [備考] １頁１コマ。児嶋版『闇のアルバム』（かな〜）。

[初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1997年09月号 [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日 [頁数] 24P [備考] これは傑作。こんな人面疽モノが在ったのか、という感じです。担当のアオリ、「"かゆい"と思っても、かくのはやめましょう!!」。 ← 色調も楳図風にしてみました。が、 楳図先生でも、こんな人面疽モノは描けませんでした。 う〜ん、う〜ん（楳図ファンには分るギャグ）

• [初出] 『オール怪談』蒼馬社 1997年09月(第1号)
• [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日
• [頁数] 16P
• [備考] 『オール怪談』の創刊号。「私のタブー」と題して、各作家がエッセイ1頁を載せている。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1997年09月
• [所収]
• [頁数] 16P
• [備考]

  「「いじめ地獄」シリーズ第一弾。よくあるいじめネタ・ホラーとは一線もニ線も画する、妄想逆ギレ・サイコ・バイオレンスもの。」(山本ニューミュージック・評）。なるほど。

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1997年08月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [備考] この号、『怪奇の館DX』（１）の宣伝が一頁あり、「特別描き下ろし漫画」（３コママンガ）が載っている。内容は、「店頭にない場合は、本屋さんで注文してね」というモノ。

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1997年07月号
• [所収]
  • ザ・ホラー・スペシャリスト3『妖 あやし』角川書店 1998-02-02
  • 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日
• [頁数] 20P
• [備考]

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1997年07月号
• [所収]
• [頁数] 24P(2P4C)
• [備考] アイパッチ少女「アイ子ちゃん」（仮称）が主人公。一号室鬼頭さん、二号室東堂さん、三号室早乙女さん。

• [初出] 『ホラーＳ（スプラッタ）』ぶんか社 1997年07月(No.1)
• [所収]
• [頁数] 12P
• [備考]

[初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1997年05月号 [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日 [頁数] 24P [内容] こりゃ、まともなホラーです。笑うところナシ！！いやー、こわいし、哲学的に考えさせられる、「悪」という問題。純血ホラー作品中、一番にこれを推します。 [備考] 初出年代は推測。1998年04月号かも。アオリに「集中連載第3回」

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1997年04月号
• [所収]
• [頁数] 24P
• [内容] 主人公は平凡な女の子、矢島馬美（マミ）。ネーミングに気が利いてるのは児嶋作品の特徴です。子ギャルだとかとはまた違った、女子中学生のいやーな生態。容姿が平凡・普通であるために、非常識なその行動まで平凡だと思ってる、嫌らしさ、困ったさ加減。
• [備考]

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1997年04月号
• [所収]
• [頁数] 10P
• [備考] 初出年代は推測。1998年04月号かも。アオリに「集中連載第2回」

[初出] 『恐怖の館DX』 1997年03月号 [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04 [頁数] 24P [備考]

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1997年03月号 [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10 [頁数] 33P [内容] 児嶋版「カインの末裔」。アダムとイブの生んだ子供たち。 [備考]

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1997年03月
• [所収]
• [頁数] 28P
• [内容]

  一人目はメンクイ少女、二人目は乙女っぽく心をいためる少女、三人目は手取り足取り可愛がってくれる女性。三人の若者のそれぞれの彼女たち。

  [備考] 「ほんとにカワイイ女の子が３人も登場。個人的には一番目の美智子ちゃんが好きだ。」(山本ニューミュージック・評）。

  おれは三人目だな。

• [初出] 『恐怖の館DX』 1997年02月号
• [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04
• [頁数] 24P
• [備考]

[初出] 『恐怖の館DX』 1997年01月号 [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04 [頁数] 24P [内容] 高校生だか中学生だか、いやーな女子生徒二人組み。ちょっとカワイイが、あはは。 [備考]

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1997年01月号
• [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
• [頁数] 16P
• [備考] 絵柄は、脳髄夫人風。

[初出] 『漫画サンデー増刊』 1996年頃 [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16 「超悲劇! クリスマス」『ホラーＭ』ぶんか社 1999年12月号 [頁数] 16P [内容] 全四話のオムニバス式。マンサン掲載時はそれぞれ別なのかな。「お義母様はヘビかも」、「恐怖!!怖がり少女ミドリ」、「怪奇!女吸血鬼」、「超悲劇!!クリスマス」（各4頁作品）。 『へび少女』の頃の楳図風の絵柄。楳図のパロディもある。児嶋先生は楳図の『恐怖』もお気に入りのようですが、そういえば、『恐怖』は「みやこ新聞」でした。これも、「栄光有る先取り」（楳図）でしょう。 [備考] 最近、昼飯を食うところで毎週『漫サン』を読んでるが、結構保守的な雑誌なのか、こんな素晴らしい作品にはお目にかかれませんよ。

• [初出] 『近代麻雀増刊　雀鬼』 1996年頃
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 24P
• [備考] 麻雀まんが。ちなみに、師匠の萩原令二センセイは、麻雀が大好きで、「勝手にジャンキーロード」（全２巻）がある。児嶋ファンなら持ってたほうが良い。

• [初出] 『鬼平犯科帳』 1996年頃
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 24P
• [備考] かんちがいストーカーもの。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1996年頃
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 24P
• [備考] 幼少時に、妹の生まれることを密かに恐れていた、というトラウマから自殺癖のある美少女中学生・倉本ミツ子。ストーリーはまともなホラーなのに、絵の見せ方がギャグになっている、という傑作中の傑作。

• [初出] 『CUTE増刊』 1996年頃
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 22P
• [備考] 本格ホラーです。傑作。

• [初出] 『恐怖の館DX』 1996年12月号
• [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04
• [頁数] 24P
• [備考]

[初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1996年12月号 [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日 『Hime デラックス』No.22 あおば出版 2001年10月4日号増刊 [頁数] 24P [内容] ほんと、いや〜な感じ（笑い）の作品。なんで、こんなにもいや〜な感じなのでしょう。 (2002年『おとめ図鑑』版刊行時の補記）　なんでかと言うと……。後に「覗き見少女・馬美ちゃん」などにも結実してゆくが、いわゆる子ギャルとは違う、普通の（あるいは寧ろ健康的な優等生の）女子中学生とかが、 その普通さ・若さ・優等生さにより罪である、 ということを、ふつうは許して描写されるべきところを、決して許さずに暴く、そういう鋭さが児嶋作品のテイストですね。で、実に、いやーな感じの作品なのです。 [備考] 初出アオリに「戦慄の短期集中連載 第3回!」 『Hime デラックス』No.22 では、表紙も描く。

[初出] 『恐怖の館DX』 1996年11月号 [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04 [頁数] 24P [内容] 美少女と不美人とのコンビ。楳図『恐怖』のパロディ。しかも、望遠鏡で覗いたような楳図式カットですこしづつのズームアップも嬉しい。 [備考]

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1996年11月号
• [所収]
  • 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
  • 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10(1)
• [頁数] 16P
• [備考] ぼくの勤務先に、これとそっくりな顔の学生がいます。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1996年11月号
• [所収]
  • 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日
  • 『Hime デラックス』No.22 あおば出版 2001年10月4日号増刊
• [頁数] 24P
• [備考] あはは、こりゃー救い様のない、絶望的な話だよ（笑い）。初出アオリに「話題沸騰!! 短期集中連載 第2回!」

[初出] 『恐怖の館DX』 1996年10月号 [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04 [頁数] 24P(2C?) [内容] 薔薇のように美しくて、で、バラバラにされてしまう薔薇子と、通称ドクダミこと毒島（ぶすしま）たみ子。このネーミング、作ったね。 [備考] アマチュアのパンクバンド「キューピークレイジー」の「バラバラ少女バラ子さん」という曲は本作のテーマソング（作詞：クレイジー本間、作曲：プロレタリアート本間。『狂気な凶器』1997年頃、MURDER-CD5454）。曲の内容については、まあー、触れるまでも無いなあ（笑い）。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1996年10月号
• [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日
• [頁数] 24P
• [備考] 絵柄は肉子ちゃん風。女の子の友情物語。アオリに「待望の短期集中連載 第1回!!」とある。

• [初出] 『恐怖の館DX』 1996年09月号
• [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04
• [頁数] 24P
• [備考]

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1996年09月号
• [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10
• [頁数] 16P
• [備考]

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1996年07月号
• [所収] 『おとめ図鑑』ソフトマジック 2002年05月09日
• [頁数] 6P
• [備考] 初頁アオリに「スーパーギャグ６ページ!!」「ギャグでもシリアスでも何でもこい!!児嶋都に不可能はない!!」。リイド社の編集、なかなかセンスが良い。

  人物名、ちょっとヤバい。

  『おとめ図鑑』版では、「コックリさんの呪い〜平成三人娘シリーズ〜」と改題されているが、昭和三人娘だよね。

• [初出] 『恐怖の館DX』 1996年06月号
• [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04
• [頁数] 6P
• [備考] ははは、たまにはこんな駄作があってもいいでしょう（笑い）。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1996年06月号
• [所収] ザ・ホラー・スペシャリスト2『怨 うらみ』角川書店 1998-01-10
• [頁数] 12P
• [備考]

• [初出] 『恐怖の館DX』 1996年05月号
• [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04
• [頁数] 6P
• [備考]

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1996年05月号 [所収] 『こども地獄』ぶんか社（恐怖の快楽シリーズ7） 1998-05-10 [頁数] 30P [内容] タイトルはギャグっぽいが、本格ホラー。犬も含めた、頭蓋骨水平切断は楳図『洗礼』へのオマージュ。筆で書いた「は！」も、いいでしょ。 [備考]

• [初出] 『恐怖の館DX』 1996年04月号
• [所収] 『怪奇の館（１）』リイド社 1997-07-04
• [頁数] 6P
• [備考]

[初出] 『イカしてソーロウ』ぶんか社 1996年02月〜 [所収] [頁数] 毎回5頁 [内容] ヒロイン・地獄ちゃんは、地獄人（父）と人間（母）のハーフ。１０００人の人間を幸福にしたら母にあえる、というみなしご。胸のドクロは地獄レーダー。地獄ちゃんを助ける、天界の使いチンク（雄）は、コジマ虫の天使バージョン。極楽くんというキャラクターもいて、こいつは天界人で、「顔は美しいがうんこのような性格」という、図像的にはデビルマンの飛鳥凉。ぶろんという黒猫もいる……と、舞台設定は揃っている。が、やっぱりストーリーテラーとしての妙味は、４コマ連作という寸づまり気味の枠の中ではなかなか不完全燃焼(笑)。ただし、そうにみえてテンション実に低い、という妙な落とし方をする児嶋テイストにはまってしまうと、なかなか抜け出せないかも。地獄ちゃんの造型、コロコロ変る。 [備考] 最後の４コマ作品。20回くらいの連載で完結したらしい。所見は、vol.2(2/2日号）、vol.4（3/2日号）、vol.5（3/17日号）、vol.6（4/2日号）、vol.7（4/16日号)、vol.8（5/2日号）、vol.10（6/2日号）、vol.13(8/2日号）のみ。発売は、日付の一ヶ月前。構成は、「マルキ・ド・ママ」と同様、連作の４コマ的構成。volが上がるごとに話も展開してゆく。絵柄は、たった半年くらいの間なのに、「幻想の首少女」風から、『恐怖の館』風へと変化している。ストーリー的にも、少女時代から、初潮を迎えて大人となり、キャラクタ造型も変化する。エロ度は、最初は意味無く地獄ちゃんが脱いだりと、読者サービスもあるが、だんだん無くなってゆく。vol.13あたりは、もう純粋に今の児嶋色で、ホラー＆ギャグで「謎の洋館」風。本作完結後、児嶋都はホラー誌に専念する。

• [初出] 『怪奇の館DX』リイド社 1996年*月号
• [所収] 『おとめ地獄』ソフトマジック 2001年09月26日
• [頁数] 6P
• [内容] 特別な能力――透視能力（？）を持つ少女の悲劇（？）、いやもろ喜劇。

  「コックリさんの呪い編」や「謎の洋館編」などと同様で、6頁の単なる一発ギャグ式の作品なのだが、そんでもって「下らないーっ！」と言われればそれまでなのだが（笑）、この作品に私は象徴的なものを見て、『おとめ地獄』の解説を同題で書かせていただきました（言い訳）。なお、拙駄文はサイト上では公開しないので、是非買って読んでください。

• [備考] 初出は不明。おーい、調べてちょーよ>ゾイドちん

[初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1996年 [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16 [頁数] 12P [備考] 地獄モノの最初の作品かな。ストーカーものですね。こういういやーな顔も、ウマイのだが、はっきり言って、オエーッ！！

• [初出] 『恐怖の快楽』ぶんか社 1996年
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 16P
• [備考] 『おとな地獄』の巻頭作品。傑作です。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1995年頃？
• [所収]
• [頁数] 18P
• [内容] ストーリー、構図とも「怪奇！脳髄夫人」の少女版とも言える、正統派ホラー。死と再生、母胎回帰をテーマにしてて、結構コワイです。
• [備考] あおり文句は「コジマ屋ブラック・ホラー」

  この作品は、山本ニューミュージックさんの御知見によります。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1995年頃
• [所収]
  • 『ホラーＭ』ぶんか社 1999年12月号
• [頁数] 12P
• [内容] シリアス系。ぶんか社は、「ブラック・ホラー」と読んでるみたいです。
• [備考] 1995年か96年の夏頃の刊行だと思われます。絵柄は、「ぎょろぎょろ少女ひとみちゃん」に近く、いわゆる「楳図風」の少し前。

• [初出] 1995年頃
• [所収] 『ハロウィン別冊ザ・犬木加奈子』朝日ソノラマ
• [頁数] 24P
• [内容] 「パパはパイロット、ママはピアニスト、お家は大金持ちで、恋人はロック・ミュージシャン」てな感じの古典的少女漫画のお約束的設定を逆手に取った作品。嘘つき少女が、やがては、その嘘の内容どおりの美少女に体を乗っ取られてしまう。絵柄は、正統派少女漫画をかなり意識してます。
• [備考] あおり文句は「大好評！「都」のレトロ感覚ホラー！！」

  この作品は、山本ニューミュージックさんの御知見によります。

[初出] 『コミックガンマ』竹書房 1995年ころ [所収] [頁数] 30P [内容] 少年劇画風な絵柄の最後ころの作品なんだと思う。素晴らしい作品です。 [備考] オチをばらすような、ストーリーや画像の紹介はなるべく避けたいのですが、本作に関しては許してちょうらい。オチが分かっても、何度でも楽しめます。 元来マンガは、「如何にして絵に動きを出すか！」という点に腐心してきたハズである。それらの文法は既に確立してて、ぼくらはマンガを、たとえ単独の一コマでも動いているものと読めてしまう。しかし、児嶋都の表現法の一つにその文法の逆転がある。 絵を止める のである。 左のコマを見よ。「お前のマンガは、喜劇じゃ！」とツッコミを入れて終るには惜しい。これだけ激しいアクションシーンでありながら、フキダシに入らない「決着」等のデカーい文字の「語り的効果」によって、あたかも このシーンはスローモーションやストップモーションを掛けたような効果 になっている。繰り返すけど、これは「動き」を表現したコマではナイ！！ 因みにいうと、止まっているのはヒーローのほうのアクションが主たるコマで、やられる側のコマはすべて、みな動きをもっている。さて、左のコマ。しかし、このヒーロー、単純に止まっているワケでもない。先日公開された映画『メイトリックス』のマシンガン撮影なんつうのは、決定的アクションシーンに対して、普通では有り得ない角度の視点（ぐるっと一回りする）を与える事で、その対象物の存在する次元とは別の、メタ的な時間を与え、物語全体に重層的な深みを与えている。なんつうのかな、対象物（シーン）は当然、外側から見てるわけだけど、この効果ではもう一つ外側から見ている、という雰囲気を与えるワケよ。劇中劇的な、劇場効果と言ってもいいと思うんだが。『生ダラ』が最初だそうだが、テレビでセリフをテロップで流すのも、この劇場効果の一つだね。ただ、テロップ式の劇場効果は、視覚表現を借りつつもあくまで内容的には言語的なもの。時間が止るとか、そういう類の劇場効果ではない。で、児嶋都。でかーい文字は、蹴ってるヒーローの心内語のようでもあるが、そうではなく、語り手によるナレーションである。ストーリーそのものに流れる時間と、語り手の持つ時間と、その二重化が、ここで言う 語り的効果 なのです。画面上に外側の時間を与えることで、対象物そのものの持つ時間を止めているのですよ。あんまり分かり易く書けないんだけど、この項目、いつかちゃんと書きます。これほど見事に、こういう活字を使ってる作品は、僕はあんまし見た記憶がないが、学生にいわせると、台湾のマンガによくある、とか言ってたなあ（追記：山口由貴なんかが使いはじめたらしいですね）。 でもって、児嶋先生御本人も「自分が編み出したワケではない」と言ってるが、まあ、創始者じゃないにせよ、加えて使い古されつつある手法にしても、天才が使えばこれだけの効果を感じさせてもらえるってことですよ。

• [初出] 『コミックガンマ』竹書房 1995年（No.18〜23まで6回連載）
• [所収]
• [頁数] 各24〜18P
• [備考] 僕は、そもそもマーブル社のほうの『X-MEN』つうのを、よく知らないのですよ。ちょっと見ただけだと、日本のマンガと違って、実に読みづらい。色が塗って有るし（笑い）、コマ割りもメチャクチャに思える。フキダシも読みづらい。まあ良く言って、ハリウッド映画のマンガ版てとこですね。

• [初出] 『恐怖の館ＤＸ増刊・コミック稲川淳二のすご〜く恐い話』リイド社 1995年05月
• [所収] 『まるごと山咲トオル』リイド社
• [頁数] 20P
• [内容] ウメズ色濃いホラー・サスペンスもの。二重人格テーマです。
• [備考] 初出のあおり文句は、「眠るのが　おそろしい・・・！！」「良い夢より　悪い夢　恐い夢を見る方が多いのは　なぜなんだろう・・・！？」。別掲載の『まるごと山咲トオル』では、「恐怖少女奇タン（後に「幻想の首少女」に改題）」、「怪奇！ギョロギョロ少女」とともに、「児嶋都・怪奇劇場」と題した３本立て。切り抜きなんで、掲載された年月日は一切不明です。「児嶋都がそのセンスで山咲トオルを分析！！」と題された２ｐのエッセー漫画も載ってます。

  この作品は、山本ニューミュージックさんの御知見によります。

• [初出] 『ヤングチャンピオン』 1995年
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 3P
• [備考] 転入生・有栖川麗美。ホラーギャグ。

[初出] 『ハロウィン』朝日ソノラマ 1995年 [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16 [頁数] 20P [内容] 小学校のころ、お目めパッチリでめちゃくちゃ可愛かった瞳ちゃん。しかし、人間の発育とは分からないもので、高校生のころには、たんに目玉ぎょろぎょろの少女になってしまい、性格も卑屈に（左GIF)。さて、その瞳ちゃんは……。 [備考] 本格ホラー。少年アリスの頃の絵柄に近い。

• [初出] 『ハロウィン』朝日ソノラマ 1995年
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 20P
• [内容] とにかく、首が飛ぶのがおもしろい。ホラーだが、ちょっと古典的かな。
• [備考]

• [初出] 『フレッシュガンガン』エニックス 1994年ころ?
• [所収]
• [頁数]
• [内容] 「あたりめ」さんの情報によります。

  「影男（カゲマン）」は、鏡の向こうに居る自分の「影」と話が出来る「影使い」の少年が「影」に乗っ取られた人々と学校を助けるために自分の影と合体して影達と戦うというストーリーだったと思います。私は当時中学生でDQ4や「純生キッド」「嘘と誠」はギャグだったので違和感なく読んでいましたがこの「影男」は読んで少々衝撃を受けました。

  「影」に乗っ取られた人は影達により鏡の中に閉じこめられてしまい、（影側にとっては「今まで鏡の内に閉じこめられていた自分たちの正当な反乱」）周囲の人々はそれに全く気づかないまま社会的に抹殺されてしまうという設定がコドモ心に少し怖かったです。

  なるほど、楳図の『映像（かげ）』に示唆を受けたようにも思えますね。読んでみたい。

• [備考]

• [初出] 『コミックガンマ』竹書房 1994年〜1995年（No.14〜17まで4回連載）
• [所収]
• [頁数] 各30P（+1Pの「前号までのあらすじ」）
• [備考] 米・マーブル社の『X-MEN』のコジマ版。サイクロップス以下の登場人物などは、本家マーブル社と同じ。学生から聞いたのだが、このころX-MENのゲームがあって、それとのタイアップで描かれているようです。特に、第２部に成ってからは、ステージや必殺ワザなどは、ゲームと同じらしい。それはともあれ、ストーリーは、多分、原作も含めて児嶋都が書いているのだと思う。ギャグはあまり無く、ハードなアクション物に仕上がっていて、

  学生なんかに見せると、こっちのほうが良いとか言いやがる（笑）。

  お子様には、わかんねんだろうな。でも、たしかに、この路線をそのまま進んでいても、しっかりご飯を食べれたのは事実でしょうね。

• [初出] 『ホラーＭ増刊・夏の恐怖体験』ぶんか社 1994年08月
• [所収]
• [頁数] 16P
• [内容] 読者体験談特集。クラスメイトが、人の魂を吸取って殺してしまうという性質（？）をもっている。吸取った分、自分の体重が増え、最後には体内の魂によって体が破裂してしまう、という。フィクションならよく出来た話だと思うが、これが「読者体験談」となると、吹き出してしまうね。
• [備考]

  「絵のタッチはかなり荒々しい。登場人物の美術教師がキングスメン「ルイ・ルイ」（６０年代ガレージ・パンク・クラシック。太川陽介の同名曲とは無関係）のＴシャツを着ている。」（山本ニューミュージック・評）

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1994年06月 創刊号
• [所収]
• [頁数] 8P
• [内容] 副題風に「◆ブニュエルが笑っているよ◆」とある。冒頭で、ルイス・ブニュエルのシュールレアリズム映画『アンダルシアの犬』を、女の子がさえない彼氏に誘われて見る。目をかみそりで切るシーンが気味悪い。彼氏は意味ありげに、いやがる彼女にプレゼントを送るが……。
• [備考]

  「女の子は最後に失明してしまうのですが、そのページに隣り合った広告には、「視力回復通信講座〜ベイツ式トレーニングで視力ぐんぐんアップ！」の文字が。よくできた話だ。」（山本ニューミュージック・評）

• [初出] 不明 1994年
• [所収] テレビアニメ版『X-MEM』 1994年
• [頁数] 単行本
• [備考] 数人の作家で、X-MENを描き継いでいる。次項の『コミックガンマ』のよりは先のような気がする。単行本で、確認した単行本は7巻まで、所見は2、3、7巻。以下、個々のタイトルと画者を記します。

  • 1巻
    恐怖のミュータント狩り
    ジュビリー救出作戦
    画：ヒグチヒロシ／やすえこーじ

  • 2巻(1994-7-27)
    磁界王マグニートーの野望
    激突!Xメン対マグニートー
    画：児嶋都／萩原玲二

  • 3巻(1994-8-27)
    謎の地底人類モーロック族
    鋼鉄の牙セイバートゥース
    画：中原れい

  • 4巻
    強制収容島からの脱出
    超怪力!ジャガーノート
    画：市川裕文／うおりゃー大橋

  • 5巻
    魔神アポカリプスの影
    悪魔の翼を持つ天使
    画：渡辺健一／あまざゆきかぜ

  • 6巻
    未来からの使者ビショップ
    裏切りのガンビット!?
    画：やすえこーじ／ヒグチヒロシ

  • 7巻(1994-9-27)
    センチネル最終決戦!
    変化自在!復讐のモチーフ
    画：萩原玲二／児嶋都

  カップリングの萩原師匠には申し訳ないが、児嶋のほうがちょっと上手い（ごめん）。萩原玲二は竹書房の麻雀誌などで活躍。『素敵にジャンキーロード』（全2巻）1992年などがある。

• [初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1994年
• [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16
• [頁数] 10P
• [内容] 主人公・有栖川英男は、救いようのないいじめられッ子。
• [備考] 絵柄は、『純生キッド』の頃の少年誌風の感じを脱しつつ、また、後の地獄モノの頃ともちょっと違う。ひさうちみちお風というか、陰影で対象を描き、かつ装飾的。これはこれで、よい感じ。

[初出] 『ホラーＭ』ぶんか社 1994年 [所収] 『おとな地獄』リイド社 1997-07-16 [頁数] 10P [備考]

• [初出] 『近代麻雀オリジナル』竹書房 1994〜1995年ころ
• [所収]
• [頁数] 4P
• [内容] 私立快晴高校に、麻女先生という麻雀好きの先生が居て、真面目な野球部員と不良学生が絡んで、麻雀対決になるが、麻女先生がブチ切れたボケぶり……と、あらすじを紹介して仕舞うとそれなりにまとまって聞こえるが、実質的には、実に下らないというかメチャクチャなギャグマンガ。絵柄は、小林よしのり風というか、あまり系統の無いもの。この点など、

  七色の筆を持つ女

  と児嶋先生を評しても良いのだが、しかし、もしも、この作品だけ見せて児嶋の素晴らしさを人に伝えよと言われても完遂する自信はない（あはは）。
• [備考]

• [初出] 『フレッシュガンガン』エニックス 1993年12月号?
• [所収]
• [頁数] 36P
• [内容] きっと、誠ノ介は、毎回ほぼ死に掛ける、というストーリーなんじゃないかなあ。因みに、「ちなみに僕なんかスーパーファミコンも持ってないのにーーッ」という誠ノ介のセリフが途中で出てくるが、作者児嶋先生の実生活を反映したセリフと思われる。
• [備考]

• [初出] 月刊『少年ガンガン』エニックス 1993年11月号
• [所収]
• [頁数]
• [内容] 「あたりめ」さんの情報によります。

  「上・級・生」はガンガン本誌の読者企画で読者の実体験ラブストーリーを募集し、それを漫画化したもので、高校の弓道部の女の先輩に思いを伝えそびれるも大学で再会、という爽やかな実録ラブストーリー物でした。

• [備考]

• [初出] 『フレッシュガンガン』エニックス 1993年08月号?
• [所収]
• [頁数] 36P
• [内容] 鬼瓦家、長男の嘘次郎・容姿端麗で天才科学者。次男は誠ノ介・地味で文系な中学生。内容的には、ギャグあり、オカルトあり、アクションあり。ガジェットも盛沢山で、世界観的にもかなり複雑、一口じゃ言えない程に、

  惜しみなく才能を撒き散らしてる感じ。

  『純生キッド』も良いが、こっちのほうがもっと良いんじゃないか。ギャグは、性格破綻型の兄のボケと平凡な弟のツッコミで見せる単発のしゃべくりギャグの羅列が基本だが、きっちり収束に向かって伏線が張ってあるため、全体にストーリーは安定しており、ふつうに「あー、おもしろかったあ」という消費的な感じでも読める。盛り上がるシーンでは、子持ち枠で草子地的な語りがはいり、最後の締めの言葉は「嘘のような誠の話」。はーん、なるほど、かなりこうして様式化されていて、これが作品のリズムを作っているのだね。「虚実論」（嘘と誠そのまま）というのが、江戸時代の歌舞伎などの作劇法の一つにあるが、その流れにもある、かな。
• [備考] 「嘘と誠」は、僕も今までタイトルだけ聞いてた伝説的作品。「純生キッド」に並んで初期・児嶋の代表作だと思うが、所見は、「黒猫騒動」「未来の友達」の二作のみ。うーむ残念。短編連載。絵柄は純生キッドのころの、少年劇画風。初出誌の上欄に「弟の純情＆博士（兄）の異常な愛情！？」とキャッチフレーズのようなのが付いてる。ちと無理矢理ひっかけた。

  初出誌ハミダシに、「コジマ虫」の似顔とともに「作家紹介」がある。

  児嶋都先生★ＧＣ『純生キッド』が発売中です。描きおろし漫画ｅｔｃ入っていて、お得なんだよーん。皆（みな）で購入しようネ！エヘ。（都）
  （◆編集部宣伝◆『純生』コミックスには、初めて明かされる児嶋先生の素顔も載ってるんだよーん。立ち読みはいやーん。うふ（ハート）（担）

• [初出] 月刊『少年ガンガン』エニックス 1993〜19944年ころ?
• [所収]
• [頁数]
• [内容] 「あたりめ」さんの情報によります。

  他にもガンガン本誌の４コマ企画で「勇者タンビノ（オリジナル読み切り４コマ）」という作品を描かれており、一族揃って容姿端麗という特徴をもつ故混血が進み、純粋な血を持つ者が皆無となりつつあった「タンビ一族」の最後の生き残りとなった青年タンビノが一族を存続させるため幼少時にさらわれた一族の娘を捜して旅を続け、発見するも既にその娘は他の一族の一員として育てられ婚約者（容姿不良）もおり、「顔のいいヒトって信用できない」と言う一言で哀れタンビノ青年は振られてしまうというお話でした。

  あたりめさん、記憶力がいいですね〜。あるいは、それだけ衝撃的な作品だったのか？

• [備考]

[初出] 『イカしてソーロウ』ぶんか社 1993?〜1995年 [所収] [頁数] 4〜5P [内容] ４コママンガ。世界観というか家族関係ははっきりしてて、丸木戸家のママがメイン。夫は天国。娘のよい子（吉兆よい子）、ママのまた従弟の地味井平治(25歳)など、『純生キッド』のパラレル・ワールド。というか児嶋スターシステム。ミミヲ君とか魔曽保夫人とかの脇役もいる。一話づつ完結する４コママンガでなく、連鎖的につながる４コママンガで、毎号各々でなんとなく一つの話になっているタイプ。逆に言うと、全体の流れを４コマつづでブチブチッと切断したようなもので、イキそうでイケ無い、誌名の狙い通り（笑）。ただ、他の執筆者の作品は、もろにトリプルエックスそのままのエロ系４コマなのだろうと思うので、それに比べりゃあ格段に良いんじゃないか。左の画像は、1995年10/2日号のタイトル・カット。 髪飾りと化してるナタはもちろん ドラマを作ってる左手や着物の柄が亀甲だったりと、やっぱ芸が細かくなかなか児嶋都でオツ。なお、丸木戸夫人は革系ボンテージ姿も多い。 [備考] いつ頃から始まったのかいまいち分からないが、児嶋先生のご記憶では3年近くやってたそうです。最終回は『イカソー』誌1996年1月2日号(1995年12月2日発売）。『イカソー』は、もともと月刊誌だったのが、1995年の途中くらいに隔週刊（2日、17日発行）になったようです。所見は少なく、1995年1月号、1995年6/2日号、1995年9/2日号、1995年10/2日号、1995年12/17日号、1996年1/2日号の6作品のみ。

[初出] 月刊『少年ガンガン』 1992年2、8、11、1993年3、5連載 [所収] 『純生キッド』エニックス 1993-07-22 [頁数] 170頁 [内容] 区立訳在（わけあり）中学校に在学中の国民的アイドル・松原林檎と、東北から転入してきた林檎ファンの谷崎純生（じゅんせい）。それに加えて、学級委員の吉兆世依子（きっちょう・よいこ）・地味井平治（じみい・へいじ）らが織りなす、学園ギャグもの。林檎は、テレビのイメージと違って、クラスでは実に意地の悪い女なのだが、純生はマゾ的にひらすら耐えて林檎につくす。世依子（顔はコジマ虫）らは、闇の学級委員会なる秘密結社を組織し、林檎排除をねらうがいつも失敗。ラストは、ちょっぴりラブコメであり、「生きがいとは何か」という人生的問題提起もある。 [備考] ドラクエの頃の絵柄で、現在の雰囲気からはちょっと遠い。ホラー以前のギャグ作品で、コマの飛ばし方、フキダシ会話とナレーション内省の多重性で笑わせる、といった80年代の典型的ギャグの路線を踏襲しているが（ぼくの知ってる範囲だと、安永航一郎や喜国雅彦とか）、レベルは高く充分笑える。また、マンガの方法論へのパロディ的批評精神の萌芽が十分に見える。林檎が学級から居なくなったラストシーンの、一種の成長ドラマがやけにさわやかで、ありがちな少女マンガのパターンだが、柴門ふみ（初期の）なんかより良い。しかも、「生きがい」論において、その思想的根拠をあらかじめブチ壊している。うーん、意味不明な感想でごめん。 初出誌からして、たぶん小学生男子向けなのだろうが、連中にわかるのかな。ちょっとセクシーな松原林檎ちゃんに興奮したりするのかな。と思ったら、当時の小学生も今や大学生。「ガンガンでは異質でインパクトがあった。面白かったですよ」とのことです（空木次葉談）。

高橋明彦